アクアライン

収蔵作品 美術骨董品

館長

数百年から数千年の長い歴史の中の古美術には、いつも心を奪われてしまう。河井寛次郎ではないが、今ある有名は過去の無名には勝てないのである。それは単なる歴史の長さだけの問題でもなさそうだ。

館長

青銅器

青銅器

豆(食物を盛る器)

春秋後期B.C.600~戦国前期B.C.500

H=38cm

これとほぼ同形の木製の漆豆が曽候乙墓の東室より出土しているが、同形の青銅器は出土していないとのことである。しかし、形自体が元々青銅器の形であることから、漆豆より早い時期に当館の青銅器は作られたと推測できる。また、この青銅器の特徴は、まるで今日作られたと思うほどに錆びていないことである。状態が乾燥して青銅器にとって良い環境にあったのではないかと思われる。

双羊尊

双羊尊(盛酒器)

殷 B.C.1300~B.C.1100

H=49cm

酒を供える盛酒器であるが、これとよく似た重要文化財指定を受けた双羊尊が東京の根津美術館とロンドンの大英博物館にそれぞれ一つずつ収蔵されている。当美術館の双羊尊についても、恐らく同時期に製作されたものと推測される。

方壷

方壷(容酒器)

戦国中期頃B.C.350

H=38cm

青銅器の成分は、銅・錫・鉛でできているが、この青銅器がステンレスのように白っぽいのは錫含有量が多いためである。錫含有量が多いと固くはなるが、脆くなるという特徴を有している。